梅とウグイスの着物

昨日はいっとき、窓の外で吹雪いておりびっくりしました…!

そうなるとは知る由もない朝、「今日は何を着ようかな〜」と悩んだ末、梅とウグイスの附け下げを着ることにしたわたし。

着物は季節を先取りするのがルールなので、梅が実際に咲いてるときに梅の着物は着られなくなってしまう。梅を着るなら今の時期がラストチャンスというわけです。

(他にも、桜や紅葉といった季節を象徴する花も纏える季節はかなり限られます。まれに一年を通して1ヶ月くらいしか着られないぜいたくな品も。)

そして昼過ぎに吹雪がやってきて、外を眺めながら、
「吹雪が降っている2月の日に、梅とウグイスを身にまとうなんて素敵!」
と、白い世界を眺めながら静かな幸せを感じていた。

着物は視覚的な美しさを楽しむだけのものではありません。
というよりむしろ、少し先の未来を想像する内面的な喜びを与えてくれることのほうが、遥かに価値のある役割だと思っています。

たとえ今日が吹雪であろうと、梅は小さなつぼみを膨らませる準備を着実に進めているんだって想いを馳せる。

まだ存在していない景色を想って、暖かくなる日を待ちわびるのは昔から変わらない人の営みだと強く感じました。

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